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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長田亜子さん作2012年11月25日

蜘蛛の巣や 絡め取られる 冬桜

季語・冬

 庭の木々の中に隠れて、直径70センチ位もある大きな蜘蛛の巣がありました。何もかもがそこに取り込まれそうな……

●かぎろいのコメント2012/11/27

 こんにちは。
 桜と言えば、春の風物詩というイメージが強かったので、このような使い方があるということに、良い意味で驚きました。
 春には生命力全開で存在感を放つ桜ですが、冬になると、枯れたような感じがしますね。
 蜘蛛の巣がその桜を絡め取っているというのは、桜の命を吸っているようで、なんとなく怖い感じがします。

 蜘蛛の巣と冬桜、とても良い取り合わせではないでしょうか。
 今はやり込められている冬桜が、春には汚名返上というか、立ち場が逆転しそうな予感がするのも想像力を刺激します。

 今回の句は、欠点らしい欠点もなく、着眼点がすばらしいと感じました。

●並木研二さんのコメント2013/12/09

 蜘蛛の巣は典型的な夏の季語で、季重なりです。

●長田亜子さんのコメント2014/01/27

 冬桜・・季語 としてとらえています。冬桜が時期外れに咲いていらからこそ・・の句で、其処に大きな大きな蜘蛛の巣がとりついたように出来ていました。季重ねではありますが、双方の語句あっての情景なのです。