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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

書評

こども俳句教室

著者仙田 洋子
ジャンル子供向け俳句入門
出版社:三省堂
発行年月:2011年01月

解説

 俳句にふれ、楽しみ、学習する、待望の本!「学校」「家族」「動物」「植物」など、親子で選べる豊富な題材。味わうポイントが分かる丁寧な解説と、楽しめる「俳句クイズ」。 掲載俳句197句、引用句総ルビ付き。【付録】こども歳時記。

特徴

 穴埋め問題形式の「俳句クイズ」が、他にはない目玉で、おもしろいと思いました。例えば、

どの道も(   )とおもふげんげかな
田中裕明

 このように、名句の中の単語を切り取って、そこに当てはまる語句を考えさせてくれます。
 知っている句なら、すぐに答えが浮かびますが、そうではない場合、そこに何を入れるのが適切であるのか、しばし悩むことになります。

 この作業が、俳句作りの練習としてもってこいだと感じました。

 松尾芭蕉も弟子の向井去来(むかいきょらい)が放棄した句である『 山吹(やまぶき)や蛙飛び込む水の音』の上五を改変して、名句として名高い『古池や蛙飛びこむ水の音』を作りました。
 句の中にどんな言葉を入れたら、よりすばらしい句になるか? どんな季語を使うのが適切か? 考えることは、この例からもわかる通り、非常に大切です。

 なにより、いきなり何もないところか初心者が俳句を作るのは大変なので、名句の一部を伏せて、そこに入る言葉を考えさせるというのは、入門書として、的を射たやり方だと思います。

 答えのページには、句の解説や、なぜこれが正解なのか、簡単な説明がされています。ちなみに、ここで引用した問題の答えは『家路(いえじ)』です。

 子供向けの入門書だけあって、俳句の作り方に関しては簡単な解説しかされていません。しかし、芭蕉がどうのこうの、子規がなんと言ったかなど、難しくて専門的な内容は語られていないので、要点だけわかりやすく理解したい人には、もってこいだと思います。

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