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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

書評

別冊NHK俳句

著者:宇多 喜代子 (監修), NHK出版 (編集)
ジャンル俳句入門
出版社:NHK出版
発行年月:2010年11月

解説

 俳句の基本が楽しく身につく、大人のための俳句入門書。
 これから俳句をはじめようと思っている人に向けて、「季語」や「切字」といった俳句用語など、最低限知っておきたい俳句の約束事を、「歳時記」、「吟行」、「句会」などの章ごとにわかりやすく解説します。通信講座やカルチャーセンター、俳句結社など、俳句を深めていくための方法も紹介し、一人ではじめた俳句をさらに広げる術をお教えします。

特徴

・初心者向けです。
・わかりやすいです。
・俳句についての事前知識が無くても読めます。
・たくさんのイラスト、写真が使われています。
・俳句作りに必要な知識をすべて網羅しています。

書評

 『とにかくわかりやすい』のが、この本の特徴です。

 読みやすい、わかりやすい、という点にかけては、この本がいままで読んできた物の中ではダントツでした。

 NHK教育テレビの『いまからはじめる俳句』の内容を抜粋して作られた本です。

 元がテレビ映像であったためか、写真やイラストが多く、文字が少なめなので、すっと入って行きやすいです。

 現代俳句協会会長の宇多喜代子さんに、俳句初心者の四人の男女(アナウンサーやお笑い芸人や主婦)が質問していき、先生役の会長さんが答えるという形式ではじまります。
 宇多会長は、どの写真でも常に満面の笑顔を浮かべた上品そうなご婦人で、いかにも俳句会の大御所といった貫禄のある人です。

 質疑応答形式は、質問が初心者目線になるのが良いです。

 エライ俳句の先生が書いた単行本だと、俳句入門をうたっておきながら、内容が初心者には取っつきづらい、俳句の歴史的エピソード(松尾芭蕉や正岡子規の逸話)などが入ってきて、どうにも格式張ってしまう傾向があります。
 俳句の要点や楽しさに触れる前に、松尾芭蕉はかつて弟子に対してうんぬん、といった話をされると、歴史の講釈を大上段からされているように感じて、私のようなド素人は萎縮してしまいます。
 しかし、この本では、

「青芝。足下の青芝も季語ですか?」
「季語です。もちろん。本当にみんな季語だらけ。先ほどから雨が降り始めてきましたけど、こういう時期に降る雨は「若葉雨」と言うし」

 というように、p24ページまで、砕けた会話で俳句の解説をしてくれるので、助かります。

 その後は、歳時記の詳しい解説に移ります。
 意外と、俳句ハウツー本の中で歳時記の使い方について説明しているものは少ないです。
 お恥ずかしながら、私は歳時記というのものについて、三十歳になるまで、まったく知りませんでした。

「俳句はお金も時間もかけずに作ることができる。
 でも歳時記だけは例外。これには投資しましょう」

 ということです。

 その後は、俳人へのインタビューや、吟行のやり方、句会に参加するための手順、ルール、俳句大会の情報などが掲載されています。
 俳句を楽しむために必要な情報が過不足なく載っている、至れり尽くせりの本だと思います。

 初心者向けですが、読者の年齢層は定年退職して時間のある高齢者を想定していることが伺えます。
 ただ、若い人が読んでも楽しめますし、子供に読ませても十分通じる物だと思います。

 元となっているのがNHKの番組だけあて、数ある俳句ハウツー本の中でもクオリティの高い本です。

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