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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

安眠父(アミンパパ)さん作2014年01月13日

木遣り朗々冬空に舞ふ鯔背
(きやりろうろう ふゆぞらに まういなせ)

季語・冬

 かぎろいさん、こんにちは。いつもありがとうございます。
 当地の今年の出初も良い天気に恵まれ、当市でただ一人残る、八十数歳の鳶の頭の木遣りの声が朗々と響いていました。
 木遣りの後、冬日に光る青竹の大梯子の上で、鯔背な鳶の若い衆の梯子乗りが披露されました。
 尤も裏話ですが、梯子乗りをしているのは、趣味で梯子乗りをしている、鳶職とは関係ない人。
 木遣りを歌える鳶職の方も、この日歌った頭ただ一人。趣味で木遣りを歌う方はいるのですが・・・・・。
 一抹の寂しさを禁じ得なかった、出初式でした。

●かぎろいのコメント2014/01/18

 安眠父さん、こんにちは。
 これは江戸っ子な句ですね。
 大勢の大工や鳶職人が、大声を出しながら、木材を運んでいる様子が目に浮かびました。粋でいなせな感じがします。
 ただ、「木遣り」「鯔背」という言葉は、現代では死語になっているので、若い人には意味が伝わりにくいと思います。鳶の頭が80歳と高齢になっている、梯子乗りは鳶職とは無関係な人、ということからも、この句を味わうにはいずれ時代考証が必要になってくるでしょう。
 そういった背景があるためか、句にしんみりとした哀愁を感じます。

●江戸人さんのコメント2014/01/18

 かぎろいさん、こんにちは。
 ありがとうございました。
 そうですか。「木遣り」「鯔背」は死語になりましたか!
 確かに棟上げ式、建前など見なくなりましたね。昔は職人さん達が木遣りを歌いながら帰って来ましたが。
 私の町内会にはこの木遣り同好会があり、若い方々なども参加して練習しています。
また、浅草の鬼灯市では、今でも鯔背な格好をした、可愛いお嬢さんたちが、鉢植えの鬼灯を売り声高く売っていますね。
 なので、私の周りでは若い方々の間にも、木遣り、鯔背は普通にありましたので、こんな言葉も何の抵抗もなく使ってしまいました。
 それと、字面だけでは具体的に物が見えてこない俳句に気がつきました。
 私は写真に俳句を貼り付けて、写真俳句のブログも書いていますので、その弊害が出ていますね。
 この俳句は、ブログでは梯子乗りの写真にこの句が貼り付けてあるのです。
 そういう、写真の説明がないと、一般の方にはわかりにくい俳句かもしれませんね。
 ありがとうございました。