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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

阿修羅さん作2014年05月20日

凛として庭に佇むあやめぐさ

季語・夏

 青く美しい菖蒲の花が庭に咲いています。

●かぎろいのコメント2014/09/23

 阿修羅さん、こんにちは。
 あやめ草は、サトイモ科の草で、池や溝の周辺に群をなして繁茂する植物。夏の季語ですね。

 非常にストレートな句ですね。
 ただ「凛として」が擬人化であり、作者の主観が入っています。これでは、実際にどのような様子で生えているのか、イマイチわかりませんし、解釈の幅が広がりません。できれば、主観をそのまま入れるのではなく、見たままを写生し、その様子を通して作者の伝えたいことを伝えるのが良いです。

花あやめ一夜に枯れし求馬哉

 こちらは松尾芭蕉の句です。歌舞伎役者、求馬の死を悼んで作った句です。「求馬の歌舞伎を見た翌日にアヤメも見ずに求馬は死んでしまった。彼こそアヤメのように美しかったのに」といった意味です。
 あやめが一夜にして枯れたことを、急逝した求馬に重ねて、その死を悼んでいます。