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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

阿修羅さん作

薫風や恋路が浜を駆け抜ける

パラソルを開いた空の青さかな

行く先を余白に埋める海霧の風

日の盛張り裂けそうな胸の内

夏怒涛歌碑を眺める伊良湖崎

夕顔や浜辺彩るタペストリー

季語・夏

 愛知県・伊良湖岬へ行ってきました。そのときに出来た句です。

●かぎろいのコメント2015/02/16

 阿修羅さん、こんにちは。
 6句つの句は、続けて読むと日記のように愛知県の伊良湖岬に旅行された時の様子や気持ちがわかって、なかなかおもしろいですね。俳句は、かつては近況報告の意味合いもあったので、こういった試みもおもしろいと思います。
 俳句というより連句のようだと感じました。

薫風や 恋路が浜を 駆け抜ける

 すがすがしい夏の風が浜で遊ぶ若い男女の間を通り過ぎてていく感じが、なんとも青春を感じさせます。

パラソルを 開いた空の 青さかな

 パラソルを砂浜に打ち立てて見上げた空が、清々しく青かった様子が伝わってきます。夏の海の日差しの強さも感じさせる、まさに夏の句ですね。

日の盛 張り裂けそうな 胸の内

 この句は、ちょっと作者の内面を表に出しすぎています。太陽が盛んに照りつけると、なぜ胸が張り裂けそうになるのか、この句だけ読むと意味不明です。