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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

窪田誠一郎さん作2014年04月18日

鴛鴦や相好くずす薄暮かな

季語・冬

 ある冬の夕暮れ時に、長年連れ添った仲睦まじい老夫婦がにっこり微笑みあう光景。薄暮はその日の夕暮れでもあり、人生の夕暮れ時でもあります。暗くなっていくのに、二人とも人生に満足していて思わず笑みがこぼれ幸せオーラで輝いている様子です。

●かぎろいのコメント2014/06/25

 窪田誠一郎さん、こんにちは。
 鴛鴦(えんおう)とは、オシドリのつがい、夫婦の仲が良いことの例え、仲良し夫婦の代名詞ですね。鴛鴦を調べてみたところ、冬の季語でした。
 鴛鴦は動物園で見たことがあるのですが、オスが派手でメスが地味な、番でいるとチグハグな感じがして、おもしろい鳥ですよね。

 一読した際、結構良い句だな。と思いました。夕日の余韻が良く、風流な感じがします。

 ただ、良く考えてみると、「相好くずす」という言葉から、鴛鴦は、鳥のことではなく、人間の夫婦であることがわかります。鳥には表情はありませんからね。
 とすると、この句には、季語が存在しないことになります。
 季語はなんとなく入れるものではなく、季節を感じ、世界の広がりを俳句に与えるものなので、無季になってしまうとマイナスです。

 現実の鴛鴦を写生し、そこから人間の夫婦を連想させるような句にされると、良いかと思います。