花笑みにつがいたぬきの腹踊り
季語・春
地元にある七国山では今年も春を迎えて、発情期のたぬき達が愛を育んでおります。
野田雄大さん、こんにちは。
この句は、楽しさ、明るさを全面に押し出していますね。
狸の夫婦が花畑で踊っている、日本昔話の一場面のような情景が頭に浮かびます。
『花笑み』『つがい』『腹踊り』。
と、おめでたい感じのする言葉で、句が構成されています。
花が咲くことを、花笑みと表現したところにセンスを感じます。
ただ、『つがい』『腹踊り』という言葉が、やや下品な印象も与えてしまうので、読後感が微妙なものになっています。狸も、あまり上品な生き物ではありません。
また、イメージはおもしろいのですが、現実にはあり得ない場面ですので、深さのない観念的な句になってしまっています。
俳句はありのままを描写するのが良いとされているので、今度は、写生に挑戦されてみると良いでしょう。