桃の香を浴びて語る友の頬
季語・春
友と桃林の中の語らいで彼女は素敵な出会いを語ってくれた。
ノラ子さん、こんにちは。
桃を題材に選んだところにセンスを感じました。
一読した際、桃の香りと、友というキワードから三国志の桃園の誓いを連想しました。また、友の頬も桃の実のような瑞々しさがあった、というような隠喩にも捉えることができます。
ただ、この句は桃ではなく、友を題材としているためか、世界の広がりや奥行きは、感じにくいです。余韻が無い、とも言えます。厳しい言い方をしてしまうと、「友の頬、だから何?」という状態になってしまっています。友がどんな人かわからないので、共感しにくいです。
俳句は人物よりも自然を謳うのに適しています。人物に焦点を合わせた句は、難しいです。
また、桃の花は春の季語、桃の実は秋の季語です。香りはどちらからも漂ってくるので、やや季節感を捉えにくいかも知れません。句の内容から、なんとなく桃の花を謳っていることがわかります。