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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

ノラ子さん作2014年03月25日

桃の香を浴びて語る友の頬

季語・春

友と桃林の中の語らいで彼女は素敵な出会いを語ってくれた。

●かぎろいのコメント2014/03/26

 ノラ子さん、こんにちは。
 桃を題材に選んだところにセンスを感じました。
 一読した際、桃の香りと、友というキワードから三国志の桃園の誓いを連想しました。また、友の頬も桃の実のような瑞々しさがあった、というような隠喩にも捉えることができます。

 ただ、この句は桃ではなく、友を題材としているためか、世界の広がりや奥行きは、感じにくいです。余韻が無い、とも言えます。厳しい言い方をしてしまうと、「友の頬、だから何?」という状態になってしまっています。友がどんな人かわからないので、共感しにくいです。
 俳句は人物よりも自然を謳うのに適しています。人物に焦点を合わせた句は、難しいです。

 また、桃の花は春の季語、桃の実は秋の季語です。香りはどちらからも漂ってくるので、やや季節感を捉えにくいかも知れません。句の内容から、なんとなく桃の花を謳っていることがわかります。