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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

葉真秋さん作2014年05月16日

喧噪にゆらり皇居の遠桜

季語・春

 4月皇居乾通りの初公開とのことで、二重橋駅に降り立った時目にしたものは、うねる人並みと警備員。そして長蛇の列。臆してパレスホテルのラウンジに避難。

●かぎろいのコメント2014/09/23

 葉真秋さん、こんにちは。
 「あまりの人混みの喧騒に、遠くにある皇居の桜が揺れている」という意味の句ですね。

 皇居は、騒音で桜の梢が揺れるほどの喧騒だったのだと、その賑わいが伝わってきます。「ゆらり」という言葉の使い方がおもしろいと思いました。
 ここまでが、一読した際の感想です。

 ただ、微妙な違和感も同時に覚えて、「ゆらり」の意味を辞書で調べてみました。国語辞典によると「物が1回だけゆっくりと大きく揺れ動くさま」だそうです。
 となると、人混みから生まれる音で、そこまで桜の梢が大きく揺れることはないので、ゆらりというのがどういう状態を指しているのか、微妙にわからなくなりました。「ゆらりと揺れているように見えた」という写生というより、感覚的な意味の句でしょうか?