夕立ちや腹に抜糸のしこり抱き
季語・夏
徒然の夕立ちに濡れた衣類を着替えようとして、なんとなく腹にかゆみを覚えて手でさすったところしこりとなっている一昨年のがんの手術の傷跡が生々しく手術当時を思い出していた。
唐辛子さん、こんにちは。
これはすごい驚きに満ちた句ですね。作者の驚きが、そのまま衝撃になって伝わってきます。私の妻も、お腹の手術を行っており、雨が降ると手術の傷跡が痛む、といった因果関係はよくわかりませんが、時々、傷跡が疼いたことがあるようです。
この何気ない日常の一コマで生じた感覚をうまく俳句にしてあります。
まさに唐辛子さんにしか作れない、独自性のある句だと思います。
また、「夕立」は夏の暑い日差しが原因で起こる上昇気流によって積乱雲が急激に成長し、局所的に豪雨を降らす現象で、夏の季語です。