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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

遠野圭さん作2014年01月16日

縮みゆく友の背を打つ冬の雨

季語・冬

 新年早々、暗い句ですみません。

●かぎろいのコメント2014/01/18

 遠野圭さん、こんにちは。
 ネガディブな句ですが、哀愁を感じることができる良い句だと思います。
 小説に悲劇で終わる名作があるように、文芸においては負のカタルシスというのが存在するので、暗い句であることに引け目を感じることはないと思います。

「縮みゆく友の背」
 去りゆくとしなかった点が良かったと思います。
 「縮みゆく」とはどういうことなのかと、目を引く驚きがあります。
 おそらく、なにかショックなことがあって身体を縮めた、という意味だと解釈します。あるいは、去りゆく背中を、縮みゆく、と表現したとも考えられます。おそらく、その両方が作者の真意だと思うのですが、いかがでしょうか?
 解釈の幅がある味わい深い句だと思います。