狂ひ猫太古が呼ぶや月に啼く
季語・季語なし
うちの猫ちゃん、夜鳴きがはげしくて、とほほ。
遠野さん、こんにちは。
なかなかおもしろい着眼点の句ですね。
「太古が呼ぶや」としたところが、おもしろいと思います。遠い祖先の時代から繰り返されてきたような雄大さがあります。
ただ狂い猫という言葉は、ちょっと強烈です。
化け猫のようなすさまじい形相の猫を連想してしまいます。
中七、以後は、情緒的でしんみりした雰囲気なのですが、上五の狂い猫が強烈すぎて、恐ろしい印象の句になってしまっています。
もちろん、これを狙って作られたのなら良いのですが、怖い感じになってしまっているので、ギョッとしてしまう読者が多いのではないかと思います。
また、『月』とは、一般的に秋の月を指し、秋の季語になります。雪月花といって、春の花、冬の雪と並んで、月は日本の四季を代表する風物詩です。なので、この句は秋の句になります。