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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

遠野圭さん作2014年03月30日

狂ひ猫太古が呼ぶや月に啼く

季語・季語なし

 うちの猫ちゃん、夜鳴きがはげしくて、とほほ。

●かぎろいのコメント2014/04/01

 遠野さん、こんにちは。
 なかなかおもしろい着眼点の句ですね。
 「太古が呼ぶや」としたところが、おもしろいと思います。遠い祖先の時代から繰り返されてきたような雄大さがあります。  

 ただ狂い猫という言葉は、ちょっと強烈です。
 化け猫のようなすさまじい形相の猫を連想してしまいます。
 中七、以後は、情緒的でしんみりした雰囲気なのですが、上五の狂い猫が強烈すぎて、恐ろしい印象の句になってしまっています。
 もちろん、これを狙って作られたのなら良いのですが、怖い感じになってしまっているので、ギョッとしてしまう読者が多いのではないかと思います。

 また、『月』とは、一般的に秋の月を指し、秋の季語になります。雪月花といって、春の花、冬の雪と並んで、月は日本の四季を代表する風物詩です。なので、この句は秋の句になります。