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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

清見ヶ原遊市さん作2013年07月18日

茎わかめ噛んで独りの夏の宵

季語・夏

 実家から茎わかめが送られてきたので食べながら思いついた句です。

●かぎろいのコメント2013/07/19

 はじめまして。
 調べてみたところ、「わかめ」は春の季語でした。
 なので、この句は「季重なり」です。

 「季重なり」は、季節が混乱するので、本来は避けるべきこととされています。この句は、夏を詠んだことが明白であるので、この点では問題ないのですが、評価する人によっては、減点されてしまうでしょう。

 私としては「夏」という言葉を使ってしまうと、やや風情に欠ける感じがします。
 夏と言わずに夏の情景を伝えるのが俳句の醍醐味です。

 そういった俳句のお約束を抜きに詠んだ場合、なかなか風情があると思います。「独り夏の宵」という言葉が、更けていく夏の夜と、その中で一人、茎わかめを噛む静かな様子を伝えており、それが世界の広がりを感じさせます。
 世界の広がりを感じるというのは、名句に必要な要素だと思うので、なかなか良いと思いました。