本文へスキップ

俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長良 純子さん作2013年01月28日

 水仙の咲きて日差しを独り占め

 寒月夜テロに倒れし戦士かな

 きれいな寒月夜でした。砂漠の惨事も見ていたのでしょう。

●かぎろいのコメント2013/01/30

 こんにちは。
 「水仙の咲きて日差しを独り占め」は、実に良い句ですね。
 まず非常にわかりやすく、情景が目に浮かびやすいのが良いです。
 水仙の花が一輪、日当たりの良い場所にある感じでしょうか?
 与謝蕪村が「水仙や寒き都のここかしこ」という句を残していますが、これとは対照的に一輪の花だけをクローズアップしていますね。

 「寒月夜テロに倒れし戦士かな」は1月にニュースになったアルジェリア、イナメナスの天然ガス精製プラントでのテロを題材にしたものでしょうか。
 うーん、こちらはなんとも感想が言いにくいです。
 俳句の先生の中には、想像ではなく、目で見てきた物、肌で触れた物を題材にした方が良いと教える人もいるそうです。いわゆる客観写生ですね。
 そういった意味では、やや実感や感情が籠もっていないようにも感じられました。

 だだ、寒月夜という季語と、死の題材の取り合わせは、物悲しさが漂っていて、良いと思いました。