初雪や心もとなき一歩踏む
マフラーに独り言いう風の中
脚力の衰えを感じながら雪の中をゆっくり歩きました。
マフラーの中は暖かくて嬉しくなりました。
こんにちは。
冬が巡ってきて最初の雪は、身体が雪に慣れておらず、歩くのが不安に思うものです。「初雪や心もとなき一歩踏む」は、その心情を素直に表現することによって、何か初めての挑戦を不安に思っているよな暗喩の句のなっています。
高浜虚子の「秋風や闘志抱いて丘に立つ」と同じ、読み手によって何が「心もとないのか」変ってくる味わいのある句だと思います。
ただ、高浜虚子の名句と違い、不安感が漂っているので、読後感がやや悪いのが否めません。
「マフラーに独り言いう風の中」は、一読した際、風が強いので、不満を言っているような感じがしました。
だた、何度か読み返してみると、風によって音がかき消されるので、マフラーに向かって安心して本音が言える。風によって外界との壁ができ、それによって自分と対話できる機会を持った。というように読めました。
「初雪や」の句は身体の衰え、老への不安を詠んでしまいました。「俳句は極楽の文学」だったのですね。指摘して頂いて気がつきました。「 マフラー」の句も独りごとの寂しさを思っていたのかもしれません。とても勉強になります。ありがとうございました。