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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長良 純子さん作2013年02月26日

梅の香の流れに溶けて琴五面

折り紙の静かに並ぶ夫婦雛

 五分咲きの梅林の中、緋毛せんの上で五人もの方々がお琴を弾いていました。お天気にも恵まれ演奏も素晴らしく、しばしうっとりでした。

 お雛様の折り紙を教えてもらい飾りました。
 流石、お雛様、折り紙とはいえ品があります。

●かぎろいのコメント2013/02/26

 こんにちは。
 どちらもとても品がある句であると思います。

 「梅の香の流れに溶けて琴五面」は、梅の香りと琴の音楽が溶け合っていて、とても良い感じがします。
 ただ、「梅の香の流れ」というように、「の」が連続しているため語感が悪いです。特に中七の頭に「の」が来ているため、ここでつっかえる感じがします。
 例え、字足らずになっても、「梅の香流れに溶けて」とした方が、読みやすくなると思います。
 「梅の香」で「切れ」を入れる訳ですね。

 「折り紙の静かに並ぶ夫婦雛」、確かに品があって良いですね。
 ただ、動きがないのが気になります。
 「折り紙」、「夫婦雛」は自然の物ではないため、勝手に変化しません。
 梅の花は散るから価値があるのですが、折り紙は人間のコントロール下にあるため、人間が移動させたり、捨てたりしない限りなくなりません。このため、句の題材としては、花鳥風月に比べて弱い感じがします。

 変化する自然の一場面を切り取って描写するから、俳句は深みが生まれるのだと思います。人工物を相手に描写を試みると、単なる事実の羅列になってしまう危険性があると思います。