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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長田亜子さん作2012年10月19日

むせかえる 金木犀や 花こぼす

季語・秋

 庭に大きな金木犀が2本あります。今年、やけに濃厚な香りで、自然の精気に圧倒されますが、束の間の時間なんですね、これが・・ 枝を花瓶に生けると、花が細かく散ってしまいます。樹のままでいても、しばらくで香りは控えめになり、花を落としていきます。

●かぎろいのコメント2012/11/01

 こんにちは。
 金木犀がオレンジ色の花を庭一面に広げている光景が眼に浮かんできますね。
 今回の句は、「むせかえる」と嗅覚を伝えているので、より情景が浮かんで来やすくなっていると思います。
 金木犀の香りがすると秋がやってきたのだと実感できます。残念ながら、私の家の近所には金木犀が生えていないのですが、散歩をして金木犀に出会いたくなってきました。

 欠点を申せば、やや月並みな感じがすると思います。
 ストレートに金木犀の姿を伝えていて良いのですが、表現に目新しさが感じられません。下五の「花こぼす」は、上五の「むせかえる」で、金木犀がすでに十分花開いている様子を伝えているので、意味の繰り返しになっています。
 下五を別の言葉に変えてみると、より良い句になると思います。
 ただ、どんな言葉を入れれば、より良くなるのかは、考えてみましたが、浮かんできませんでした。難しいです。