蜘蛛の巣や 絡め取られる 冬桜
季語・冬
庭の木々の中に隠れて、直径70センチ位もある大きな蜘蛛の巣がありました。何もかもがそこに取り込まれそうな……
こんにちは。
桜と言えば、春の風物詩というイメージが強かったので、このような使い方があるということに、良い意味で驚きました。
春には生命力全開で存在感を放つ桜ですが、冬になると、枯れたような感じがしますね。
蜘蛛の巣がその桜を絡め取っているというのは、桜の命を吸っているようで、なんとなく怖い感じがします。
蜘蛛の巣と冬桜、とても良い取り合わせではないでしょうか。
今はやり込められている冬桜が、春には汚名返上というか、立ち場が逆転しそうな予感がするのも想像力を刺激します。
今回の句は、欠点らしい欠点もなく、着眼点がすばらしいと感じました。
蜘蛛の巣は典型的な夏の季語で、季重なりです。
冬桜・・季語 としてとらえています。冬桜が時期外れに咲いていらからこそ・・の句で、其処に大きな大きな蜘蛛の巣がとりついたように出来ていました。季重ねではありますが、双方の語句あっての情景なのです。