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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長田亜子さん作2013年03月08日

 春なれば 蝶に負けまい 群雀

 春の蜜 乙女の如き 長電話

 抱きしめず 余韻残して 朧月

 群雀は 黄色のお花でもあり、群れたスズメでもあり・・いずれも芽吹く季節の勢いのある春風景。
 {春の蜜}は甘さをイメージできる 蜜。こういうのは字数だけ俳句でしょうか。
 投句の中で、下記2つが、自分で好きです。

 春なれば 蝶に負けまい 群雀

 蝶のひらひら不安定な飛び方が好きで、目が行きますが、その人目を引く蝶に勝って、2通りのいずれの群雀も、春の陽光の中、生に勢いがあって魅力的。
 今の自分に足りない、生きてることへのまぶしさを感じました。

 抱きしめず 余韻残して 朧月

 朧月の句は 言わずもがなの 清く正しい?恋心。
 ドロドロ感はなく、個人的には淡々として受け止めてほしい句です。

●かぎろいのコメント2013/03/12

 こんにちは。
 「春なれば蝶に負けまい群雀」こちらは、空にぶわーっと雀の群れが舞っている感じがしましたが、花の名前でもあるのですね。
 どちらの意味にも取れる上に「蝶」と「雀」は、同じ空を飛ぶ生き物ですし、「花」は蝶にとって不可欠な栄養源なので、どちらにしても相性が良く、味わい深い句だと思います。
 これはなかなか良い句ではないでしょうか?

 「春の蜜乙女の如き長電話」
 こちらは、俳句というより川柳の傾向が強いですね。
 春を無理矢理入れて、俳句の体裁を取っているような感じになっているので、いっそう川柳として作りなおしてしまった方が、潔くて良いと思います。

 「抱きしめず余韻残して朧月」
 こちらは、なんとなく恋を連想させる句ですね。
 春は恋の季節ですし、「抱きしめず」「余韻」というのも男女の仲を想起する言葉です。