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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

長田亜子さん作2013年03月08日

彷徨いし 残り香抱く 白牡丹
(さまよいし のこりかいだく はくぼたん)

季語・初夏

 かぎろいさま、お変わりありませんか。久々です。
 お願いいたします。

 今、咲き誇る牡丹の芳しいスゴミに、何もかもが、吸い込まれて包まれてしまいそうです。個人的に5月1日記念。ちなみに牡丹は初夏の季語。

●かぎろいのコメント2013/05/01

 お久しぶりです。
 美しい白牡丹の情景が浮かんで来る、とても良い句だと思います。
 ただ、私の読解力、知識不足が原因かと思うのですが、雰囲気は伝わってくるのですが、句の意味が良くわかりませんでした。

 「彷徨し」というのは白牡丹が彷徨っているのでしょうか?
 「残り香抱く」は、白牡丹が散る寸前、あるいは手折られて、人に持ち運ばれているから、彷徨って、香りが減ってきているということなのでしょうか?
 もしそうだとしたら、これは何らかの隠喩なのでしょうか? 例えば、婚期を逃しそうな女性など。

 いろいろな解釈ができるので、味わい深い句だと思います。

●長田 亜子さんのコメント2013/05/13

 かぎろいさま。
 いつも遅いお返事になりごめんなさい。
 コメントをいただけるのを楽しみに拝見しております。

 白牡丹の句の解説。ふっとすぐ浮かんだ句です。
 牡丹園へ行きました。ひときわ白牡丹が大きくて香りを放っていたのです。そういった自然の生の気迫に魅かれます。

 彷徨っているのは、 私の雑念。あの人の気配やワタシの匂いやそんなとりまく俗的なもので、その残存を 白牡丹の神々しい香り=自然の霊力のようなものが、全て受け止めて清め、新たにしてくれる気がしたのです。
 いっときその匂いに圧倒されながら深呼吸して、無(心)に帰った気がしました。 それが句になりました。

 詠んだ方の解釈で、御理解頂ければよい句です。
 かぎろいさまには、どんな心持だったかお伝えしたいと思いました。