彩葉降る見上ぐ梢や凍てる星
季語・冬
彩葉ー「いろは」と読みます。銀杏はすっかりいろづき、夕間暮れに通りかかれば早や数葉の落ち葉です。「うん?」と見上げれば薄暮の空に既に金星の輝き、澄んだ初冬の空でした。
並木研二さん、こんにちは。
ちょっと説明的な句であると感じました。
「凍てる星」というのは写生ではありません。
星が凍ることは実際にはありえないので、これは作者のイメージを投影した比喩表現です。比喩は小説などでは、作者のイメージを伝えるのに良い方法といえますが、自然のありさまを見たままに写し取る俳句にとっては、あまり合わない表現だと思います。
この場合でしたら、「凍てる星」ではなく、冬の空にしか無い星座などを使ってみたら、良かったのではないかと思います。
冬の到来を伝えるために、比喩表現を使ってしまったこの句は、「冬を感じる」というより「冬が来たことを説明する」句になってしまっています。