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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

並木研二さん作2013年11月15日

彩葉降る見上ぐ梢や凍てる星

季語・冬

 彩葉ー「いろは」と読みます。銀杏はすっかりいろづき、夕間暮れに通りかかれば早や数葉の落ち葉です。「うん?」と見上げれば薄暮の空に既に金星の輝き、澄んだ初冬の空でした。

●かぎろいのコメント2013/11/17

 並木研二さん、こんにちは。
 ちょっと説明的な句であると感じました。

  「凍てる星」というのは写生ではありません。
 星が凍ることは実際にはありえないので、これは作者のイメージを投影した比喩表現です。比喩は小説などでは、作者のイメージを伝えるのに良い方法といえますが、自然のありさまを見たままに写し取る俳句にとっては、あまり合わない表現だと思います。
 この場合でしたら、「凍てる星」ではなく、冬の空にしか無い星座などを使ってみたら、良かったのではないかと思います。 

 冬の到来を伝えるために、比喩表現を使ってしまったこの句は、「冬を感じる」というより「冬が来たことを説明する」句になってしまっています。