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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

並木研二さん作2013年09月21日

ジャズ止めて虫がスイング初月夜

かまびすき虫音も浸れば無我の境

季語・秋

ジャズ止めて虫がスイング初月夜

 高原の秋のロッジ。夜は寂々と大自然です。ふと気がつくと秋の満ちるつき(初満月です)。耳からイヤホンを外してみますと・・自然といろいろな虫のすだく鳴き音が聞き分けられます。こんな自然の中で自然の音を聞かないでは勿体ない気分です。

かまびすき虫音も浸れば無我の境

 虫の音は入り交じって喧しいほどの音量ですが、それでもたかが虫の合唱です。聴き入るウチに心の中は自然に溶け込んで無我の境(居眠り?)です。

●かぎろいのコメント2013/09/25

 並木研二さん、こんにちは。
 まず、最初の句ですが、これはおもしろいですね。
 「虫がスイング」という発想が独特で、ユーモアがあります。
 作者独自の視点、感性で詠まれているので、おもしろく印象に残ります。それでいて、秋の夜の静けさ、虫たちの賑わいも伝わってきます。
 これはかなり良い句だと思います。

 一方、「かまびすき虫音」の句の方は、「ジャズ止めて」がおもしろかっただけでに、月並みに感じました。「無我の境」とは、日常を詠むにしては、大仰かなとも思います。なにか修行をしているように感じられてしまいます。

 並木さんの句にはユーモアが感じられるので、技巧に走るより、遊び心の着眼点を大切にした方が良い句が作れると思います。

●並木研二さんのコメント2013/09/26

 かぎろひ様、毎々ページをお騒がせしております。二句目は確かに「自分の思い込み」を排除して客観的にみますと、ご指摘の通りですね。

>並木さんの句にはユーモアが感じられるので、技巧に走るより、遊び心の着眼点を大切にした方が良い句が作れると思います。

 ご指導をありがとうございます。確かに、自分はこねくり回す一面が無きしにも非ず・・と自戒します。でもこの句を認めていただいてまた自信が湧いてきました。今後とも句づくりは右往左往すると思いますがよろしく導きください。