祭りの夜霞を喰らふ童子あり
季語・夏
夏祭りの会場で大きな綿菓子をちびちび舐めている子供を観て、まるで仙人が霞をついばむ姿に重なり詠みました。
さくらぶんたさん、はじめまして。
今回、初めて知ったのですが、祭りとは夏の季語なのですね。なんでも京都が首都であった名残りで、5月15日に行なわれていた国家行事である葵祭のことを指すのが「祭り」という季語らしいです。
綿飴のことを夜霞と表現するところにセンスを感じます。
ストレートに事象を表現するのではなく、暗喩を活用することで、より深みのある表現にするのが文学的味わいだと思います。
仙人が霞を食べる、ということを知っている人は、あまりいないと思うので、この句に込められた裏の意味まで読み取れるひとは少ないでしょうが、それがわからずとも意味が通じる構成になっているのが、良いです。
誰にでも理解できて、かつ見識のある人が見れば、さらに深みのある句になる、というのが一つの理想型だと思います。