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俳句の作り方、歴史、俳人を探求。日本俳句研究会

投句の批評

高橋みよ子さん作2013年08月31日

恵まれしこの世のことよ虫時雨

師の悲報叱られもせで八月尽

季語・秋

 いろいろあったこの世だけど虫の声を聞き幸せを感じるこの頃です。

 俳句の師の悲報を最近知ったが、下手だと叱ってほしかったなと思い作りました(10年も会っていないのです)
 俳句は好きだけど、なかなかうまくならないです。よろしくお願いします。

●かぎろいのコメント2013/09/01

 こんにちは。
「恵まれしこの世のことよ虫時雨」
 読後感の良い句だと思います。
 目を引く斬新さはありませんが、虫たちの鳴き声のすばらしさが伝わってきます。虫の鳴き声を聞けて、恵まれていると感じる著者の感性の豊かさも、句から伝わるイメージを良い物にしています。
 言葉の取り合わせがとても上手いと感じました。

「師の悲報叱られもせで八月尽」
 夏の盛りが終わって秋に入ろうとしている八月尽が、師の逝去のメタファーとなっていますね。ただ、8月31日を意味する八月尽は季語として直接的すぎると思うので、晩夏に咲く花などを持ってきても良かったと思います。
 下五の八月尽は、ちょっと季語を無理に入れている感じ、唐突な感じがしました。