著者:久保田 淳 /たかや 健二
ジャンル:漫画俳句入門
出版社:小学館
発行年月:1997年11月20日
俳句も短歌も、みなさんに味わってほしいものを各数十ずつ厳選。
昔の作家から現在の作家まで、大切なものを掲載。
それぞれの解説のほかに、主な作者の生活も紹介。
俳句と短歌の時代の流れやテクニックも少しずつ解説。
作家名さくいんやあいうえお順さくいん、俳句は四季別さくいん、短歌はテーマ別さくいんをつけた。
・初心者、子供向け。
・著名な俳人の名句を網羅しています。
・俳句の歴史についても簡単に触れています。
・短歌についても解説されています。
・藤子不二雄が描いたものではないので、キャラクターの絵や行動に違和感があります。
・ギャグマンガ調で描かれています。
正しい知識を提供するという意味では、古典を引き合いに出して解説するのが良いのでしょうが、これが俳句の敷居を高くしてしまっていると思います。
例えば、
名所のみ雑の句にもありたし。季を取り合わせ、歌枕を用ゆる、十七文字にはいささか志述べがたし。
『三冊子』松尾芭蕉
これは季語について芭蕉が語った言葉で、名所を詠んだ句には季語がなくても良いという意味です。
こんなのが出て来てしまうと、ちょっともはや歴史や古典の勉強じみてしまって、読書意欲がかなり損なわれます。
この本は、小学生向けにドラえもんの漫画で名句や俳句の歴史を解説したものなので、このような敷居を高くするような古典の引用や解説は一切さい出て来ません。
名句に対する敬意を失わない程度に茶化したギャグ漫画調で、名句を解説していくという手法を採っています。
一つ一つの句の解説は浅い物で、とても奥深い俳句の精神まで伝えるようなものではありませんが、嫌にならずにページをめくれるというメリットが大きいです。
俳句の作り方や歴史については、最初の数ページで大まかに触れられている程度ですが、
名句に触れて、その大まかな意味を知りたいという方にはもってこいだと思います。
ただ、ドラえもんの著作権を持つ会社、藤子・F・不二雄プロが監修はしているものの、実際に漫画を描いているのは藤子不二雄とは別人で、その絵柄には若干の違和感を感じます。
また、勉強嫌いののび太が積極的に俳句を学ぶ気になるという展開は、「いささか強引だな、キャラの性格変っているだろう」と、ドラえもんの原作を読んできた身としては思ってしまいます。
若干、ギャグがツマラナイと感じる部分が多々あり、やっぱり藤子不二雄をマネるのは別人では難しいのだろうなぁと思います。
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