俳句の切れ字「朝顔に釣瓶とられてもらい水」は、どこで切れているの?

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Tと申します。教えを乞います。

俳句の要件として「切れ字」が必要だそうですが、「朝顔に釣瓶とられてもらい水」は「切れ字」あるのでしょうか。あるとすればどれでしょうか。

●答え●

Tさん、質問ありがとうございます!

朝顔に釣瓶とられてもらい水

「朝顔に」の部分で切れています。
切れ字は、言葉の強調と、言葉を切る、省略することで生まれる余情、余白に意義があります。

日本の文化は、俳句以外にも、水墨画、歌舞伎、浄瑠璃など、すべてを語らないで省略することで生まれる余情、想像の余地に美意識を置いています。

実は漫画なども、コマとコマの間の動きを読者の想像の余地によって補っているので、とても日本的な文化と言えます。漫画の映画化などが失敗するのは、この余白、想像の余地を奪ってしまうから、などとも言われます。すべてを語るのは無粋でツマラナイ、ということです。

「朝顔に」で一拍置くことで生まれる、余情、余韻が、俳句に奥深い広がりを与えています。
こういう句が作れたら、最高だろうなぁ、と思います。

切れ字として代表的なものには、「や、かな、けり、なり、ぞ、がも」があります。「や」「かな」「けり」は、かなり頻繁に使われるので、目にすることが多いです。
この他に、「もがな、らん、 し、ぞ、か、よ、せ、や、つ、れ、ぬ、ず、に、へ、け、じ」などもあります。

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