切れ字「けり」の使い方まとめ
- けりで終わるとカッコいい、というのが詩歌の世界の一般的な考え
- 「動詞、助動詞」+「けり」と使う
- 「けり」に繋げる動詞選びが、「けり」を活かすコツ。
俳句における切れ字についての質問/投稿者:酔いどれ防人さん
切れ字の代表的なものに『や、かな、けり』がございます。
やとかなについては概ね理解しているつもりですが、けりの使い方について迷うことがあります。
「けりがつく」という言葉がある通り、下五に持ってくるのが定石なのですか?
また、けりで切る句は個人的に難しいと感じました。
けりは動詞につくことが多いと思いますが、他に活用している例などがあればご教授願えれば幸いです。
「動詞、助動詞」+「けり」と使いましょう/回答者:ハオニーさん
「けりがつく」は俳句や短歌ではよく見られます
けりで終わるとカッコいい、というのが詩歌の世界の一般的な考えのようです。
しかし「かな」は下五に置くという定石ほど、「けり」は厳格ではありません。
中七の「けり」も使いようでうまくいきます。
TV番組『プレバト』で紹介されていた句をひとつ
金(かね)が舞う銀座なりけり雪明かり
「金(かね)が舞う」という俗で美しくない表現を「けり」で切って、美しい季語の印象で終わらせる方法で成立させています。
そしてこの場合、動詞ではなく断定の助動詞「なり」に接続しています。
「動詞、助動詞」+「けり」が多いです。
しかし、「なかりけり」のように「なし(形容詞)」+「けり」や、「しづかなりけり」のように「しづかなり(形容動詞)」+「けり」なども難しい方法としてはあります。
難解なことばかり言いましたが、「動詞(または助動詞)の連用形」+「けり」と覚えておくと、上級者のチャレンジコース以外はなんとかなります。
動詞選びは俳句で一二を争うほど悩むところですので、その動詞以外あり得ないと確信していないと「けり」まではやれないのが本音です。
切れ字は基本的に、当てるとカッコよくて外すと赤っ恥です。
17音のうちの2音分を「かな」「けり」にあてること自体、実は相当なチャレンジなのですよね。
切れ字「けり」の使い方まとめ
- けりで終わるとカッコいい、というのが詩歌の世界の一般的な考え
- 「動詞、助動詞」+「けり」と使う
- 「けり」に繋げる動詞選びが、「けり」を活かすコツ。