選句・淡灰の富士色づける花火かな

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淡灰の富士色づける花火かな

[ 作者名 ] 蛇草
[ メッセージ ] 夕暮れのまだ少し明るい時間に富士山が単色グレーになったのをキャンバスにして花火があがっている情景です。”色づける花火”とすることで、単なる花火ではなく、一緒に見ている人がいる恋愛的なものを表現したいと思いました。

2014年7月29日に投句

仕舞いなり線香花火がぽとり落つ

[ 作者名 ] 並木研二
[ メッセージ ] 「これで最後ね」と大人から渡された線香花火・・パチパチときらびやかに咲いて、最後は火の玉ポトリ・・が何とも淋しかった想い出です。

2014年7月22日に投句

頬染めて紅引き置いて祭髪

[ 作者名 ] さくらぶんた
[ メッセージ ] 祭の衣装に身を包み顔も綺麗に仕上げた女の子が唇を気にしながらお菓子を食べている姿が可愛く感じて詠みました

2014年7月21日に投句

かぎろいのコメント

この中では、蛇草さんの『淡灰の富士色づける花火かな』が一番良いと思いました。意味がわかりやすいだけでなく、恋人同士で花火を見上げているところまで匂わせるとは芸が細かいです。

また、富士山の色を淡灰と表現した知識とセンスも見事です。(淡灰は「たんかい」と読みます。日本の伝統的な色名の読み方です)

並木研二さんの句も哀愁が漂っていて良かったのですが、上五の「仕舞なり」が蛇足だと感じました。下五の「ぽとり落つ」で、線香花火が終わったことがわかるので、同じ意味の繰り返しになってしまいます。

さくらぶんたさんの、「頬染めて紅引き置いて祭髪」は、祭りの女の子の仕草をうまく観察して描写していますね。

画面の前のあなたは、どれが一番よい句だと思いましたか? コメントをいただけるとありがたいです!(選句にご参加ください)