大賞・沈丁花マスクの鼻もところ知る
[ お名前 ] 百々[ メッセージ ] まだ寒い季節の変わり目に春を感じた瞬間をよんだ。
2015-03-11に投句
佳作・冬の杜木立を抜けし木漏れ日よ
[ お名前 ] 田部佳子[ メッセージ ] 寒い冬空に、時折、弱い太陽が森に生えている木々の間を通り抜け、地面を照らす。
早く温かな季節になって、木々に十分な日の光が当たればよいのに… という想いを寄せました。
2015-03-08に投句
入選・二月行く後姿に早ザクラ
[ お名前 ] ちまき[ メッセージ ] 春が歩み寄って来ますが、行く冬が名残惜しいです。
2015-03-02に投句
かぎろいのコメント
今回の大賞は、百々さんの『沈丁花マスクの鼻もところ知る』です!
沈丁花(ジンチョウゲ)は2月末ないし3月に花を咲かせます。その良い香りで、春の到来を告げるとされます(春の季語)。
まだ寒い2月末に沈丁花が咲いたことをマスク越しにその香りで知った、という季節の変わり目を詠った句です。沈丁花のことをよく知っていないと作れない句であるところが、高評価でした。
難を言えば、マスクは冬の季語なので、季重なりになってしまっています。季重なりについては、極力避けるべきだとされています。
佳作は、田部佳子さんの『冬の杜木立を抜けし木漏れ日よ』です。
社に木漏れ日が降り注いでいる美しい情景が目に浮かびますが、表現が月並みであったのが、残念でした。
ちまきさんの『二月行く後姿に早ザクラ』は、2月を擬人化したものですが、これはわかりにくい表現です。『後姿』とは、何の後姿なのか、一読した際にはわかりにくいです。擬人化は使い方が難しいので、初心者は避けるべきとされています。