俳句と犬の意外な関係。俳句は犬筑波集から生まれた。

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猫は「猫の恋」「孕み猫」「子猫」「竈猫」といったように、季語として使われることが多いですが、犬の季語は「猟犬」(冬の季語)しかありません。

それでは俳句と犬の関係はあまり深くないのかと思いきや、実は、1500年代の室町時代後期に山崎宗鑑によって作られた、日本で最初の句集として有名な「犬筑波集」というのがあります。

犬筑波集といっても犬の句を集めた句集ではありません。ここで使われている犬というのは、当日の文化のメインストリームであった和歌に対する謙譲語です。

和歌は貴族たちが嗜む洗練されたハイカルチャーであったに比べて、当時の俳句は、庶民たちが和歌を真似て楽しむ滑稽でバカバカしいサブカルチャーであったのです。

このため、「犬」などとへりくだる必要があったというわけです。

その後、俳句は江戸時代に大いに発展し、やがて和歌を抜いて短形詩の王者になりました。江戸時代(1633年)に出版された句集『犬子集』は、俳句が文学となる契機となったとされています。

その後も犬の名を冠した句集は、たくさん出版されています。『犬俤』『犬の尾』『犬居士』『犬鼓』『いぬ桜』など。

犬は人間の古くからの友人といわれる動物だけあって、俳句として詠まれることも多かったようです。

犬の子やかくれんぼする門松
小林一茶

初鶏の鳴くかと待てば犬吠ゆる
正岡子規

といったように有名な俳人が残した名句もあります。

ただし残念ながら、犬の句を集めた句集というのは一冊もないようです。(2000年代になってからは、『犬たちの歳時記』平凡社。『わん句歳時記』チクマ秀版社。といった犬の句集が出版されています)

川柳の世界では、犬川柳という一大ジャンルがあって、本だけでなく、カレンダーにもなっているのにこれは残念。そこで、犬の俳句と川柳を投稿できるサイトがあればと考えて、

わんわん五七五/犬の俳句・川柳投稿サイト

というのを作りました。

もしよろしければ、犬の俳句を投稿していただけるとありがたいです!

よろしくお願いします。